学問系サイトでアクセス数を伸ばすためのアイディア

せっかく研究しているからには広く公開してもいいんじゃない?

せっかく大学・大学院で研究をしているからには、勉強の成果を大学のうちに閉じ込めておくのではなく、多くの人に知ってもらえるよう身近なメディアを通じて公開することには、学術誌に論文を投稿するのと同じくらい重要な意義があると思います。

理系科目の場合は、研究室での専門的な活動が産業活動を通じて、私たちの生をより豊かにすることにつながっています(もちろん程度の差はあると思いますが)。一方、文系科目、とくに哲学の場合はどうでしょうか。論文でどれだけ精緻で精密な分析を行っているとしても、それだけでは、研究に一般的な意義があるとは言えません。なぜなら研究の意義は最終的には一般の人びとの判断に委ねるしかないからです。

哲学は、ハウツー本のように手っ取り早い応急処置をするものではなく、漢方が内側から体質を変えるように、問題を根本的に解くための考え方を論じるものです。そうした人間の知を、権威やレトリックのうちに閉じ込めるのではなく、ネットで探せばすぐに見つかる身近な存在にすることが、このサイトの目的でもあります。

ただ、学問系サイトには、なかなかアクセス数が増えにくいという難点があります。トピックの特質のせいでもありますが、必ずしもそうとはかぎりません。そこで以下では、学問系サイトのアクセス数が増えにくい理由と、アクセス数を伸ばすためのアイディアをいくつか出してみたいと思います。

アクセス数が伸びない理由

いくつかあると思いますが、大きくは次の2つの側面に分けることができます。

  1. テーマがマイナーすぎる
  2. 文章が難しすぎる

テーマの人気度については、Googleトレンド検索の機能を使えば、わりと簡単に調べることができます。以下は、2004年から2014年5月現在まで「ヘーゲル」がどの程度検索されてきたかを示すグラフです。

2004年7月を100として、それ移行ずっと下降傾向にあります。2013年1月に同姓のヘーゲル国防長官が就任してから多少持ち直していますが、あまり関係ないですね。

一方、「ニーチェ」は上昇傾向にあります。

テーマがマイナーな点については、こちらから出来ることはほとんどありません。「哲学忘却の時代だ」と嘆いても仕方がありません。テーマそのものを変えてしまうのが手っ取り早いといえばそうですが、二番煎じになる可能性が高いです。

アクセス数を伸ばすためのアイディア

以上を踏まえて、アクセス数を伸ばす方法としては、次のようなものがあると思います。

  • 役立つ記事を書く
  • 読みやすい記事を書く
  • デザインに気を配る
  • 外国語に翻訳する(してもらう)
  • めげずに継続する

役立つ記事を書く

ネームバリューがあれば別ですが、そうでなければコンテンツで勝負しましょう。お昼のランチの記事などいりません。書評と称した感想文もいりません。テーマをとことん掘り下げて、読み手に役立つ記事を書くことに努めましょう。

たとえば、市販されている解説本以上に分かりやすく本を解説したり、その分野で重要な人物を公平な態度で評するのはどうでしょうか。

参考となる基準はウィキペディアです。ウィキペディアに載っている程度の内容であれば、ウィキペディアを見れば済む話なので、記事としては足りません。ウィキペディアの概説が細かすぎたり浅すぎたりするので他のサイトを探すわけです。たとえ似たような内容でも、説明の仕方を変えてみるなど、他の切り口があるはずです。

読みやすい記事を書く

論文的なノリで書いても、専門外の人には読めません。論文や本を読んでも分からないからネットで検索するわけです。専門用語や小難しい概念でまくしたてても、ユーザーを威嚇するだけです。「この分野で一番強いのはこの俺様だぞオラ」と威張りたいなら別ですが、ネットにアカデミズムの党派性を持ち込んでもメリットがあるようには思えません。

デザインに気を配る

いくらコンテンツ勝負といっても、読みにくければ意味がありません。コンテンツだけで読んでもらえるのなら、デザイナーという職業があるはずがありません。白い背景に黒い文字を載せておけば読んでくれるだろうと思っているなら、それはセンス0の考え方です。

無料ブログサービスだとデザインのテンプレートが充実しているので、外れることはないでしょう。資金があるなら、プロに外注するのも一手です。

本を出版するのに技術的な知識が必要なのと同様、サイトを運営するにもそれなりの知識が必要です。これは一朝一夕で身につくようなものではないので、継続的に勉強することが重要です。

外国語に翻訳する(してもらう)

サイトを外国語に翻訳すれば、世界中にコンテンツを配信することができます。

とりわけ、哲学の場合、日本語に限定する理由はありません。中国やインドのような力強く経済成長している国家でも、哲学の知識は必要です。民主化して歴史の浅いアフリカの国々も同じです。

理想は自力で翻訳することですが、外注が最もありうる選択肢だと思います。ただ、その場合は結構な値段になるので、まとまったお金がないと難しいでしょう。

めげずに継続する

正直に言って、これが一番大事なポイントです。

基本的に学問的なテーマに「はやりすたり」はありません。スポーツや芸能情報サイトと違って、学問系のサイトだと、どれだけ時間を掛けて丁寧に記事を書いたとしても、すぐにアクセス数が増えるとは限りません。半年近く、場合によっては1年以上、アクセスがほとんどないかもしれません。

普通なら、この段階であきらめてしまうかもしれません。誰も読むひとがいないのに書き続けることは、よほどやる気がない限り不可能です。

ただ、「はやりすたり」がないということは、アクセスが激減することがないということでもあります。長期的な視点で丁寧に書き続け、サイトのボリュームをコツコツと増やしていけば、アクセス数は自然に増えていくはずです。例えば、このサイトのアクセス数の傾向はこんな感じです。

アクセス数の変化(2013年~2015年)のグラフ

2013年の4月以前は、ほとんどアクセスがありませんでした。サイトを開始したのが2012年の9月頃なので、半年以上、まとまったアクセスが無かったことになります。アクセス数がゼロの日もありました。この間は本当にへこたれそうでしたが、記事を追加し続け、サイトのデザインを変更するなど試行錯誤したことで、テスト期間以外にも継続的にアクセスを集めることができるようになりました。本を書くこともできました

ともかく、最も大事なのは、小細工をすることなく地道に種まきを継続することです。

なぜここまでテクニック論を書かなかったかというと、みんな1~5ができていないうちからテクニックを気にし過ぎなんです。ソーシャルボタンの配置はどうだとか、他人が自分のブログについて言及したツイートをリツイートしたらPVが伸びるとか、そんな小さなことを気にしているから、ブログの成長がそこで止まってしまうのです。結局、表面的なPVは伸ばせても役に立たないブログに人は居付かないんですよ。

初心忘るべからず

アクセス数を伸ばすことが最初の動機でしたか?はやりの陰に隠れているだけで、実はものすごい意義があるはずの議論を取り上げ、その中身をもっと多くの人に知ってもらい、この社会をよりよくすることに少しでも貢献することが最初の動機だったのではありませんか?

奇をてらうことなく、愚直かつ真摯に記事を積み上げていくこと。その積み重ねが、結果としてアクセス増につながればそれでいいのであって、テクニックで一時的にアクセスを増やしても意味はありません。巨大な海の藻屑となって、二度と浮かび上がることなく沈んでいく記事を作るだけです。

Photo Credit:
関連記事(一部広告含む)