レジュメ作りがはかどるツールやサービスを紹介します
以前、哲学書を読むときはレジュメを作ると効率的に勉強できるという趣旨の記事を書きました。いくつか反響がありまして、参考になったというものから、もう少し具体的に知りたいというものまでありました。
そこで、ここでは少し角度を変えて、レジュメ作りの能率を上げるためのツールやサービスをいくつか紹介してみたいと思います。
紹介するツール・サービス
- エディター
- Sublime Text
- Atom
- アンビエントノイズ
- soundrown
- Coffitivity
- Digitally Imported, RadioTunes
エディター
パソコンでレジュメを作っておくと、新しい発見があるたびに書き足したり書き直したりできます。なので、最初から作り直そうと思わない限りは、一旦作ったレジュメを削除することは基本的にはありません。
レジュメを作るときに注意しておくべきなのは、そのファイルの保存形式です。
とくに気にせずマイクロソフトのOfficeでレジュメを作り、Office形式(docやdocxなど)で保存しているひともいると思いますが、それはあまりおすすめできません。なぜなら今採用されているファイル形式がいつまでもサポートされるとは限らないからです。今日作ったレジュメが20年後にも読み込めるとは限りません。
レジュメのような性質の文書では、将来にわたって扱うことができる保証が重要です。Officeを使わなくなったときのために、ファイルの互換性を確保しておくこと、これが必要条件です。
Markdownを使う
互換性の観点から言えば、純粋なテキストファイルが最も理想的ですが、文字の装飾ができないという問題があります。
そこで着目したいのがHTML形式です。一般的にHTMLはウェブページのフォーマットとして使われていますが、文字の装飾ができて、互換性の問題がほぼ生じず、しかも無料で使えるという点では、ほぼ最強のフォーマットです(1992年に世界で初めて作成されたウェブページも最新のブラウザーできちんと読み込めます)。
ただ、HTMLには固有の文法(記法)があり、それに従って書かないとブラウザがきちんとページを表示してくれません。文法自体はさほど難しいわけではありませんが、「タグ」の概念など、これまで一切触れたことがないと取っつくにくいかもしれません。
そこでオススメしたいのがMarkdown形式です。Markdownはプレーンテキスト形式で書かれたファイルからHTMLを作るために開発された言語で、シンプルな記法と読みやすさが特徴です。このサイトもほとんどの記事はMarkdownで書いています。
記法(一部)
利用頻度の高そうな記法を示しておくと、大体以下のようになります。
- 段落・改行
- 2つ以上の改行で自動的に段落が分けられる
- 見出し
- #(ハッシュ)の数で見出しのレベルが決まる(1個が最上位)
- 太字で強調
- 2つ以上の*(アスタリスク)、もしくは_(アンダースコア)で強調したい箇所を囲む
- リスト
- *(アスタリスク)、-(ハイフン)、+(プラス)のいずれかを行の冒頭に置く
- 数字を使えば順序付けリストが作れる
- 一つ目
- 二つ目
- 三つ目
- 数字を使えば順序付けリストが作れる
- スペースで入れ子構造に出来る
- *(アスタリスク)、-(ハイフン)、+(プラス)のいずれかを行の冒頭に置く
- 引用
- 「>」を行の冒頭に置く(Eメールと同様)
- 罫線
- 3つ以上の*(アスタリスク)、-(ハイフン)、_(アンダースコア)のみの行は自動的に罫線として扱われる
など。詳細は以下のサイトで確認してみてください。
Markdownエディター
基本的にはどんなエディターを使っても書けますが、初めのうちはHTMLのプレビュー画面を表示してくれるエディターが便利です。一旦慣れてしまえば、プレビュー画面の無いエディターでも問題なく使えるはずです。
Sublime Text
普段私が主に使っているのはSublime Textです。
厳密に言えば、Sublime TextはMarkdownエディターというよりもプログラミング用エディターですが、MarkdownだけでなくHTMLも扱えるので、Markdownに対応していないHTMLのタグを使うこともできます。タグ、シンタックスをハイライトしたり、画面横にアウトラインを表示したりする機能がついている高性能なエディターです。
Sublime Textは有料のソフトウェアです。価格は70ドルです。ただ、試用は無料(しかも期間制限なし)なので、気に入ったときに買えばいいというシステムになっています。
レジュメを作るときに便利なのが、集中モード(Distraction Free Mode)です。これはエディターのウインドウをディスプレイ全体に拡大することで、作業に集中できるようにしてくれる機能です。
Atom
完全に無料なエディターであれば、Atomが有力な選択肢のひとつです。
AtomもSublime Textと同様、MarkdownとHTMLの両方を扱えるプログラミング用エディターです。Sublime Textと比べて歴史は浅いですが、Markdownのプレビュー機能がデフォルトで付いているので、確認しながら進めたい場合は便利かもしれません。
そのほか
この2つ以外にも多くのエディターがあります。興味のある方は以下のサイトを参考にしてみてください。
上記の記事で紹介されていないエディターで有名なものにByword 2があります。Mac環境(OS X)とiOSのみの対応ですが、シンプルで高性能なエディターのようなので、興味のある方はぜひ。有料です。
アンビエントノイズ
実証的な研究によると、完全な無音よりも多少の雑音(ノイズ)があるほうが作業効率は向上する傾向にあるようです。とはいえ、実際に自分に合ったノイズを探すのはそう簡単ではありません。
そんなときはネット上のサービスを使うのが便利です。いくつかサービスがありますが、ここでは以下の2つを紹介したいと思います。
soundrown
soundrownでは、コーヒーショップの話し声や雨音、鳥の鳴き声、電車の走る音など、色々な種類のノイズを流すことができます。自動リピート機能が付いているので、放置すれば無限ループで流れます。無料です。
Coffitivity
Coffitivityでは、コーヒーショップの話し声、ランチタイムのラウンジ、大学のカフェなどのノイズを流すことができます。これも自動リピート機能が付いているので、無限ループで流すことができます。一部有料です。
そのほか
アンビエントノイズとは違いますが、インターネットラジオのDigitally Importedにあるアンビエントチャンネルでアンビエント音楽を聞くことができます。
他にも、姉妹サイトのRadioTunesでは、クラシックやニューエイジ、スムーズジャズといったジャンルの音楽を聞くことができます。好みに合わせて使ってみてください。クラシックもいい感じです。
YouTubeにもアンビエントノイズを収録した動画があります。「coffee shop 1 hour」や「fireplace」で検索すればいくつもヒットするので、試してみてください。
YouTubeでクラシックを聞くなら、HALIDONMUSICというチャンネルがよくまとまっています。
終わりに
いかがだったでしょうか?少しでも参考になったのであれば幸いです。ぜひこうしたツール、サービスを活用して、快適なレジュメ作成ライフを送ってもらえればと思います。