アーカイブ: 2013年1月

  • ニーチェの『道徳の系譜』を解説。ルサンチマンによる生の価値評価の視点を初めて思想に導入した。その視点は私たちを立ち止まらせ、私たちが素朴に身につけてきた「よい」と「わるい」の価値秩序を根本から吟味させなおすほどのパワーをもっている。

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  • ニーチェの『悲劇の誕生』を解説。本書においてすでに、生の肯定など、ニーチェの思想の基本的な構えが見られる。ただしここではそれが理想に燃える青年期の思想として示されている。それは後に徹底的な懐疑と吟味によって鍛えられるのだが、そこに至るにはしばらく待たなければならない。

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  • イェーリングの『権利のための闘争』を解説。権利の核心には権利感覚があるとする見方は多少の納得感をもたらす。しかしそこにはイェーリング自身の趣味が妥当性の根拠として入れ込まれており(ヴェーバー的「価値自由」に反している)、方法的に問題がある。

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  • ベルクソンの『時間と自由』を解説。本書でベルクソンは「純粋持続」の概念を用いて時間論・自由論を展開する。ただ純粋持続はフィクションに過ぎず、近代哲学者の自由論と比べてみると、原理の深度は圧倒的に劣っていると言わざるをえない。

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